当院の外科は、常勤医４名で診療にあたっています。医師はすべて九州大学第二外科出身で、消化器疾患・乳腺疾患などを手術によって治したり、進行・再発したがんに対して抗がん剤投与を行うというような病気の治癒を目指した医療を中心に行っていますが、がんの種々の身体的症状や精神的苦痛を和らげることを主体とした緩和医療も併せて行っています。 　
　消化器疾患については当院の内科が主に検査や診断を担当し、内科・外科の間で意見交換を十分に行い、より有効でより安全な治療法を選択し、手術が最善と判断された場合に外科で診療を担当します。近隣の医療機関から直接手術の必要な患者さんを御紹介いただく場合もあります。 　
　乳腺外来では、乳房の腫瘤や疼痛を自覚して来られる方や乳がん検診後の精密検査のために来院される方がおられますが、触診の他に乳房Ｘ線撮影（マンモグラフィー）と超音波（エコー）検査を行って異常の有無を診断しています。多くは乳腺症や線維腺腫という良性の疾患ですが、乳がんが見つかる場合もあります。乳がんの治療は手術が主体となりますが、がんの大きさや部位 によっては乳房を温存する手術も可能ですので、種々の治療法を提示して選択していただいています。診断・治療に関して他院での意見をお聴きになりたい場合の情報提供も行っています。 　
　化学療法（抗がん剤投与）は副作用に悩まされる治療というイメージがあるかもしれませんが、最近は種々の有効な薬剤も開発され、投与方法にも工夫がなされており、がんの進行を抑えながら長く自宅での生活や仕事を続けることが可能になってきました。進行・再発したがんのほとんどは何らかの苦痛症状を伴いますので、まず症状を十分にコントロールすることから診療を始めます。その上で化学療法などの治療を希望される場合にはがんの進行を抑える治療を行いますし、がんの苦痛の緩和を主に望まれる場合には緩和医療に徹しています。 　
　救急医療として、急性虫垂炎などの腹膜炎や消化管の穿孔・出血のような緊急手術を要する疾患に対しても、夜間や日祭日でも緊急手術を行えるように体制を整えています。 　
　患者さんとご家族の希望を尊重し、その生活の質に十分配慮した診療を行い、医師・看護師・その他のスタッフ全員でチームワークよく関わるように心掛けています。